| 御殿場口 |
御殿場口は他の登山道と異なり、標高1,400mの太郎防付近までしか森がありません。約300年前の宝永噴火による火山灰で森はすべて埋まってしまい、その後、少しずつ回復してようやくこのあたりまで登ってきました。ここは植生が回復してゆく様子を観察できる貴重な場所なのです。
(画像・標高1,800m、二つ塚下塚山頂より・左下から上へ、二ツ塚上塚、宝永山、山頂)
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駐車場から少し登った森の縁に遊歩道の入り口があります。自然林とカラマツの人工林の中を遊歩道はゆるやかに上ってゆきます。約1時間ほど歩くと溶岩流が削られてできた砂沢(ズナザワ)という沢に出ます(画像・右)。そこから沢をすこし登ると幕岩という断崖に突き当たります。春の嵐などによる雪代(底雪崩)の時に濁流が流れ落ちるのですが、見た人はなく「幻の大瀑布」ともいわれています。沢沿いの木の枝に石が挟まっていたりすることがあるので、そのすさまじさを想像することができます。 30年ほど前に来たときは崖の途中に祠が祭ってありましたが、現在は裾野市富士山資料館に移されたとのです。この近くには戦国時代に山伏が修業した場所などもあり、かつての山岳信仰の痕跡を残しています。
(画像左・コースの近くにある修業場の祠)
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| 砂沢上流部と砂礫地パノラマ(左・小天狗塚 中央・宝永山と山頂 右・二ツ塚上塚) |
沢の左側から迂回して幕岩の上に出ると沢の両側は砂礫地の草原になります。カリヤスモドキ、フジアザミ、ヤマホタルブクロ、オノエイタドリなどの草に混ってカラマツが根付き始めています(画像上)。
草原地域から少し下がった二ツ塚下側一帯のカラマツ林は50年以上前に麓の人たちが砂礫地に苗を植えた場所です。根付きは悪かったとのことですが、現在は、生き残ったカラマツの間に、苔や地衣類、草、ナナカマドやバッコヤナギなどが見られる森へと成長しています(画像左・乾燥した砂礫地を絨毯のように覆っている地衣類はとてもデリケートですので踏まないで)。
その森の先端ではカラマツの進出が始まり、二つ塚下塚直下まで達しています。かつてこの地域の東端にスキーリフトの建設が計画されたとき、この環境を守る運動が起きて計画が変更されたことがありました。 |
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幕岩から200mほど上流の沢では、砂礫層最下部の軽石の中に大量の炭が埋まっているのが見られます。宝永噴火で埋まった森の痕跡です。昔、麓の人たちが背負子でこの炭を採りに来たという話も残っています。(画像右・沢の地層から現れた炭)
沢の東側の草原をしばらく登って行くと宝永火口から下りてくる遊歩道に出会います、そこから二つ塚の間を通って御殿場口に戻ります。二つ塚の下塚にはぜひ登ってみてください。雄大な景観が楽しめます。
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関連資料
二ツ塚パノラマ(合成) 御殿場口太朗防地層(撮影1995年) 発掘再開された村山口登山道と各登山道(全図) |